56歳、父から相続した築35年のビル。空室5年、固定資産税だけが出ていく。

登場人物

隆(たかし)、56歳。神奈川県在住の会社員。2年前に父が亡くなり、父が所有していた築35年の小さなビル(3階建て・各フロア40坪)を相続した。1階はテナントが入っているが、2階と3階は5年以上空室のまま。老朽化が進んで、新しいテナントが入る見込みもない。毎月の固定資産税と管理費が重くのしかかる。取り壊すにも費用がかかるし、売ろうにも買い手がつかない。「この空きフロア、どうすればいいんだ」と途方に暮れている。

父が亡くなったのは、2年前の冬だった。

葬儀が終わり、遺品を整理し、相続手続きを進めていく中で、一つだけ厄介なものが残った。

築35年の小さなビル。3階建て。各フロア40坪。

父が若い頃に建てた、父の夢だったビルだった。1階にはテナントが入っている。でも、2階と3階は、5年以上、空室のまま。

相続したとき、私は正直、嬉しくなかった。

「これ、どうすればいいんだ」

不動産は、持っているだけでお金がかかる。固定資産税。管理費。エレベーターの保守点検費。清掃費。年間にして100万円以上が、誰も使っていないフロアのために消えていく。

妻に「売ったらどう?」と言われた。でも、築35年の老朽化したビル。買い手がつくとは思えなかった。

相続したビルの空室、50代の私が直面した現実

不動産会社に相談した。

「隆さん、正直に言いますと、この築年数と立地ですと、テナントを入れるのは難しいです」

わかっていた。でも、言葉にされると堪えた。

「リノベーションして、きれいにすれば入りますかね」

「可能性はあります。ただ、フロアあたり500〜800万円はかかります。2フロアなら1,000万円以上。それでも確実にテナントが入る保証はありません」

1,000万円かけて、入るかわからない。

定年まであと4年。退職金はまだもらっていない。子どもの教育費も残っている。1,000万円の賭けには出られなかった。

売却も検討した。でも、査定額は期待を大きく下回った。老朽化が進んだビルは、解体費用を差し引くと、ほとんど手残りがない。下手をすると、マイナスになる可能性もあると言われた。

売れない。貸せない。かといって壊すお金もない。

毎月の管理費だけが、黙って口座から出ていく。

相続した資産のはずが、足かせになっていた。

「空室のまま持ち続ける」ことの本当のコスト

ある夜、妻にこう言われた。

「あのビル、年間にいくらかかってるか、ちゃんと計算した?」

言われて、改めて計算してみた。

固定資産税:約60万円。
管理費・保守点検費:約40万円。
火災保険:約15万円。
電気代の基本料金:約10万円。

年間125万円。5年で625万円。

空室のまま5年間で、600万円以上が消えていた計算になった。

「これから先、あと10年空室が続いたら、1,200万円よ」

妻の声が、静かに響いた。

1,200万円あれば、夫婦で10年は旅行に行ける。子どもの結婚資金にもなる。老後の資金にもなる。

それが、空っぽのフロアのために消えていく。

「何か、しないといけない」

ようやく、私は本気で動き出した。

「トランクルーム」という、知らなかった選択肢

インターネットで「ビル 空室 活用」と検索した。

コワーキングスペース、レンタルオフィス、シェアオフィス……いくつかの転用案が出てきた。でも、どれも初期投資が大きく、築35年のビルに合うとは思えなかった。

そんな中、一つの選択肢が目に止まった。

「トランクルーム」。

空きテナントやフロアを、個人・法人向けの収納スペースに転用するという事業だった。

読み進めると、いくつもの特徴が目についた。

トランクルーム経営の特徴

老朽化したビルでもOK:物品の保管が主な用途なので、築年数に左右されない。水回り設備や冷暖房も不要。
初期投資が少ない:テナント向けのリノベーション(500〜800万円)と比較して大幅に低コスト。
投資回収期間が短い:約3年で初期投資を回収できるケースが多い。
リスク分散:複数の利用者と契約するため、一社退去で収入ゼロになるリスクがない。
手間がかからない:集客・契約・管理すべてを運営会社に委託できる。
収益性が高い:満室時の月間収益がオフィス賃貸を上回るケースもある。

「老朽化したビルでもOK」

その一文に、目が留まった。

テナント募集では「築年数が古いから入らない」と断られた空きフロアが、トランクルームなら活用できる。しかも、水回り設備も冷暖房も不要。

さらに読むと、導入事例があった。築年数が古い空きテナントを、トランクルームにリニューアルして、月間24万円〜59万円の収益を上げている物件がいくつも紹介されていた。

「年間100万円以上出ていくだけだったフロアが、逆に年間300万円以上を生み出す」

数字を見て、私は椅子から身を乗り出した。

全国540店舗を運営する専門会社を見つけた

トランクルーム事業を展開している会社を調べていくと、25年以上の業界経験と、全国540店舗以上の運営実績を持つ会社があった。

フランチャイズ方式で、オーナーは物件を提供するだけ。設計・設置工事・集客・契約・管理はすべて運営会社が対応する。

無料のフロア診断と収益シミュレーションも受けられるらしい。自分のビルがトランクルームに向いているかどうか、実際の収益見込みがいくらになるか、具体的な数字で示してもらえる。

「これなら、判断材料がもらえる」

やるかやらないかは、シミュレーションを見てから決めればいい。

隆が見つけたのは、このサービスだった

※資料請求・相談は無料。全国対応

シミュレーションの数字を見て、私は息を飲んだ

資料請求をして、1週間後にフロア診断の日程が決まった。

担当者がビルを訪れて、2階と3階の空きフロアを確認した。天井の高さ、柱の位置、搬入経路、電気容量。プロの目で、一つひとつチェックしていった。

「隆さん、このフロア、トランクルームにとても向いていますよ。柱の位置も良いし、搬入もしやすい」

数日後、収益シミュレーションが届いた。

2階(40坪)にトランクルームを設置した場合、0.3畳から2.0畳までの部屋を合計46室作れる。満室時の月間収益は約48万5千円。年間にして約580万円。

初期投資の回収は、約3年の見込み。

今まで年間125万円が出ていくだけだったフロアが、年間580万円を生み出す。

マイナスからプラスへ。差額は年間700万円以上。

妻にシミュレーションを見せた。

「これ、本当にこんなになるの?」

「もちろん満室になるまでには時間がかかる。でも、空室のまま管理費を払い続けるよりは、ずっといい」

妻はシミュレーションの数字をもう一度見て、静かにうなずいた。

「父のビルが、もう一度、働き始めた」

契約を決めて、設置工事が始まった。

最短1ヶ月で運営開始できるという話だったが、私の場合は約6週間で完成した。

完成した日、2階のフロアに立って、きれいに並んだトランクルームの扉を見渡した。

5年間、埃をかぶって誰も使わなかったフロアが、きれいな収納スペースに生まれ変わっていた。

父が若い頃に建てたビル。父の夢だったビル。

それが、形を変えて、もう一度、働き始める。

父が生きていたら、なんて言っただろう。

たぶん、「おまえ、よくやったな」と言ってくれたんじゃないかと思う。

運営が始まって3ヶ月。少しずつ利用者が増えてきた。集客も契約も管理も全部運営会社がやってくれるから、私はほとんど何もしていない。月に一度、稼働状況の報告を受けるだけだ。

あれほど重くのしかかっていた固定資産税の請求書が、今は少しだけ軽く感じるようになった。

もしあなたが、空室のビルを抱えているなら

親から相続したビル。空きフロアが何年も埋まらない。テナントを入れようにも、老朽化で敬遠される。売るにも解体費用がかかる。毎月の管理費だけが、静かに口座から消えていく。

もしあなたが、同じ状況にいるなら。

「テナントが入らない=このビルに価値がない」ではない。

テナントが入らなくても、トランクルームなら活用できる。老朽化していても、水回りがなくても、築何年でも。むしろ、トランクルームにとっては、「広くて空いている空間」がそのまま価値になる。

フロア診断も収益シミュレーションも無料で受けられる。やるかやらないかは、数字を見てから決めればいい。

空きフロアが「出費」から「収入」に変わる可能性を、一度、数字で確かめてみてほしい。

空きフロアが、収益を生む空間に変わる

※築年数が古くてもOK。空きテナントの活用事例も多数

2年前、父のビルを相続したとき、私はそれを「厄介な遺産」だと思った。

でも今は、父が残してくれた「財産」だと、ようやく思える。

形を変えて、もう一度、このビルは誰かの役に立っている。

56歳。父の夢を、私なりのやり方で、つないでいく。