54歳、実家に帰るたびに母の家が散らかっていく。きれい好きだったあの母が。

登場人物

直美(なおみ)、54歳。東京都在住の会社員。夫(57歳)と二人暮らし。子どもは独立済み。埼玉県に一人暮らしの母(79歳)がいる。最近、母の家に行くたびに部屋が散らかっている。以前はきれい好きだった母が、台所の換気扇に油汚れがこびりつき、お風呂にカビが目立ち、庭の草が伸び放題になっている。母に聞くと「大丈夫よ、できてるわよ」と言い張る。でも、明らかにできていない。足腰が弱くなって、高い場所の掃除や力仕事ができなくなっている。仕事が忙しい直美は週末に実家に通って掃除するのが精いっぱい。でも、毎週は無理だ。

実家の玄関を開けた瞬間、空気が違った。

少し澱んだ匂い。かすかにカビの気配がする。以前は母の家に来ると、洗剤の清潔な香りがしていた。玄関には季節の花が飾ってあって、靴はいつもきちんと並んでいた。

今日は、靴が脱ぎっぱなしだった。花瓶は空のままだった。

「お母さん、来たよ」

リビングに入ると、テーブルの上に新聞や郵便物が積み重なっていた。台所に目を向けると、シンクに食器が数日分溜まっている。換気扇のフィルターは黄ばんで、油汚れがこびりついていた。

母は、ソファに座ってテレビを見ていた。

「あら、直美。来てくれたの。ごめんね、ちょっと散らかってるけど」

「ちょっと」ではなかった。

あなたは、黙ってエプロンを取り出した。

きれい好きだった母が、掃除をしなくなった

母は、昔からきれい好きだった。

毎朝6時に起きて、掃除機をかけるのが日課だった。窓を開けて空気を入れ替え、テーブルを拭き、花を活け替える。お風呂は毎日磨いていたし、台所の換気扇は月に一度必ず分解して洗っていた。

「きれいな家に住んでいれば、気持ちもきれいになるのよ」

母の口癖だった。

それが、いつからか変わった。

79歳。膝が悪くなって、階段の上り下りがきつくなった。腰も痛いらしく、中腰で掃除をするのが辛い。風呂掃除は、かがむのが大変で手が届かない場所が増えた。高い棚の上や換気扇は、脚立に乗るのが怖くて手つかずだ。

でも、母は「大丈夫よ」と言い張る。

「私はまだ自分でできるから」

できていなかった。でも、母のプライドが、助けを求めることを許さなかった。

週末、実家に通う日々

気づいてからは、週末に実家に通うようになった。

土曜日の朝、電車で1時間かけて母の家に行く。着いたらすぐにエプロンをつけて、掃除を始める。台所、お風呂、トイレ、リビング。母がやれなくなった場所を、一つずつ片付けていく。

洗濯物も溜まっていることが多い。シーツを替えて、カーテンを洗って、干して。庭の草が伸びていたら、それも刈る。

気がつくと夕方になっている。帰りの電車で、あなたはぐったりしている。

日曜日は、自分の家の家事と、翌週の仕事の準備。休める日がない。

夫が言った。

「直美、最近ずっと疲れた顔してるよ。毎週は無理じゃないか」

わかっている。毎週は無理だ。でも、行かないと母の家はどんどん荒れていく。

そして何より、母が心配だった。散らかった部屋で、一人で暮らしている母が。

「お母さんの家、誰かに頼めないかな」

ある日、会社の同僚にふと相談した。

「うちの母が一人暮らしなんだけど、掃除ができなくなってきて。毎週通ってるんだけど、体がもたなくて」

同僚が言った。

「うちは家事代行を頼んでるよ。お母さんの家にも使えるんじゃない?」

家事代行。

知ってはいた。でも「お金持ちが使うもの」「自分の家は自分で掃除するもの」という固定観念があって、選択肢に入れたことがなかった。

「でも、母が他人を家に入れるのを嫌がるかもしれない」

「最初はそうかもね。でも、毎回同じ人が来てくれるサービスなら、慣れるんじゃない?うちの義母もそうだったよ。最初は嫌がったけど、3回目くらいから『今度はいつ来てくれるの?』って聞くようになった」

その夜、あなたはスマホで「高齢者 家事代行」と検索した。

「同じスタッフが毎回来てくれる」という安心感

検索していくと、家事代行サービスにもいろいろな種類があることがわかった。

1回限りのスポット型。登録制で毎回違うスタッフが来る型。そして、同じスタッフが定期的に訪問する担任制のサービス。

母のような一人暮らしの高齢者には、担任制が合っていると思った。

毎回違う人が来たら、母は気を遣って疲れてしまう。でも、同じスタッフが来てくれるなら、少しずつ信頼関係ができる。母の性格や生活スタイルを理解してくれるようになる。

その中で、一つのサービスが目に留まった。

創業35年。東証一部上場グループ。利用継続率96%。同じスタッフが定期的に訪問する担任制。掃除道具はお客様専用にスタッフが持参。掃除だけでなく、料理、洗濯、買い物代行、庭の手入れまで対応。

さらに、お客様の声の中にこんなコメントがあった。

「高齢で一人暮らしをしている母の自宅で利用しています。スタッフの方が作業後に母の様子も報告してくださり、家のことも母のことも安心できます」

「母の様子を報告してくれる」

その一文で、心が決まった。

掃除をしてくれるだけじゃない。離れて暮らす母を、定期的に見守ってくれる人がいる。それは、あなたにとって掃除以上の価値だった。

直美が見つけたのは、このサービスだった

※相談は無料。創業35年・継続率96%の実績

母が、最初は嫌がった

案の定、母は嫌がった。

「他人に家を触られるのは嫌よ」

「私はまだ自分でできるから」

わかっていた。母のプライドが許さないのだ。「自分でできなくなった」と認めることが、母にとっては老いを認めることと同じだった。

あなたは、言い方を変えた。

「お母さん、これは私が楽になるためにお願いするの。毎週通うのが大変で。月に2回、プロの人に来てもらえたら、私が行けない週も安心できるから」

母の頼みではなく、自分の頼みとして伝えた。

母は、しばらく黙っていたけれど、「……あなたが大変なら、いいわよ」と言ってくれた。

3回目の訪問で、母の顔が変わった

最初の訪問日、母は少し緊張していた。

担当してくれたのは、40代の女性スタッフだった。物腰が柔らかく、最初に「お母様、今日はよろしくお願いします」と丁寧に挨拶してくれた。

台所、お風呂、トイレ、リビング。2時間かけて、母の家がみるみるきれいになっていった。換気扇のフィルターも外して、ピカピカに磨いてくれた。

作業後、スタッフが母に報告をしている声が、電話越しに聞こえた。

「お風呂のカビが少し広がっていたので、今日しっかり落としました。次回はベランダの窓もやりましょうか」

母は「はい、お願いします」と答えていた。少し照れくさそうな声だった。

2回目の訪問後、母からの電話。

「あの人、丁寧だねえ。掃除道具もうちの専用のを持ってきてくれるの」

3回目の訪問後、母の声が少し弾んでいた。

「次はいつ来てくれるの?って聞いちゃった」

同僚が言っていたとおりだった。

あなたは、電話口で少し笑って、少し泣きそうになった。

掃除だけじゃない、「見守り」という価値

月に2回、スタッフが母の家を訪問してくれる。

掃除が終わった後、あなたのスマホに報告が届く。

「今日のお母様はお元気でした。お庭の植木に水をやっていらっしゃいました」

「お母様が少し腰が痛そうにされていたので、無理をしないようお伝えしました」

「冷蔵庫の中のお惣菜が少なかったので、お買い物を代行しました」

これは、掃除代行ではなかった。母の暮らしを、離れた場所から見守ってくれるサービスだった。

あなたは、毎週実家に通わなくてもよくなった。月に1回、自分のペースで母に会いに行けるようになった。そして、行ったときにはエプロンをつける必要がなくなった。

母ときれいなリビングに座って、お茶を飲みながら話す時間ができた。

以前は、掃除で疲れて、ろくに会話もせずに帰っていた。今は、母の顔を見て、話を聞いて、笑い合える。

掃除をする時間が、母と過ごす時間に変わった。

もしあなたが、同じ電車に乗っているなら

離れて暮らす親の家が、少しずつ散らかっていく。以前はきれい好きだった親が、掃除をしなくなった。

週末に通って掃除している。でも、自分の体がもたない。仕事と親の家事の両立が、限界に近い。

もしそんなあなたがいるなら、一つだけ知っておいてほしい。

親の家に、定期的に来てくれる「もう一人の家族」を持つという選択肢がある。

同じスタッフが毎回訪問するから、親も安心できる。掃除だけでなく、料理や買い物、庭の手入れまで頼める。そして何より、親の様子を離れた場所にいるあなたに伝えてくれる。

親に「助けてもらう」のではなく、自分が「安心を買う」と考えてみてほしい。

あなたの体が壊れてしまったら、親を支えることもできなくなる。

離れていても、母の暮らしを守る方法がある

※同じスタッフが毎回訪問。母の様子も報告してくれる

実家の玄関を開けたとき、空気が違った。あの日のことを、時々思い出す。

今、同じ玄関を開けると、洗剤の清潔な香りがする。靴はきちんと並んでいる。テーブルの上には、スタッフが活けてくれた小さな花がある。

母が笑っている。「今日はゆっくりしていきなさい。お茶、淹れるから」

54歳。母を守ることは、全部自分でやることではなかった。信頼できる誰かの手を借りることも、親孝行の形だった。