父の遺産で兄弟が口をきかなくなった。
夜、自宅のテーブルでスマホを開いた。「遺産相続 兄弟」と検索した。同じように兄弟で揉めている人が、どうしたのか知りたかった。
いくつかのページを見ていくうちに、相続の手続きを専門家にまるごと任せられるところに辿り着いた。税理士、司法書士、弁護士がチームで対応する。相続税の申告も、遺産分割の協議書作成も、不動産の名義変更も、全部一括でやってくれる。面倒な手続きも、気が重くなる兄弟とのやり取りも、すべて専門家に丸投げできる。
画面を見ながら思った。自分たちで決めなくていいんだ。感情で揉めるのではなく、手続きとして進めてもらえばいい。間に専門家が入れば、兄弟の関係を壊さずに済むかもしれない。
全部任せられると知って、心が軽くなった
※web予約は24時間受付・専門家がまるごと対応

信之(のぶゆき)、56歳。川崎市在住。メーカーの営業部長。妻の美智子(54歳)と二人暮らし。兄の孝之(59歳・静岡)、弟の裕也(52歳・福岡)。3ヶ月前に父を亡くした。享年82。
押入れの奥に、あの夏の写真があった
父の四十九日が終わった翌週、兄の孝之から電話が来た。「そろそろ、家のこと決めないとな」信之は「ああ」と答えた。わかっていた。この話を避けて通れないことは。
静岡の実家。土地と建物。それと、父が遺した預貯金。三兄弟で分けなければならない。
兄弟が、LINEの既読スルーで静かに壊れていく。
三人でLINEのグループを作った。最初は事務的なやり取りだった。実家の固定資産税の額、預貯金の残高、父の保険の有無。数字を並べているうちは、まだよかった。
孝之が言った。「長男として、実家は俺が引き継ぎたい」弟の裕也が返した。「三等分が筋だろ、土地を売って分けるべきだ」信之は画面を見ていた。何も打てなかった。
兄の孝之の気持ちもわかる。実家の近くに住んでいて、父の介護も孝之が中心だった。弟の裕也の言い分もわかる。法律上は三人に等しく権利がある。どちらも正しい。だから、どちらにもつけなかった。
LINEの返信が減っていった。孝之が何か書くと、裕也が既読のまま返さない。裕也が意見を書くと、孝之が一日置いて短く返す。間に挟まれた信之が何を書いても、流れが止まるだけだった。
ふと思い出す、子供の頃、兄弟三人で風呂に入っていた。狭い浴槽に三人が膝を抱えて座って、父が「お前ら、もう少し痩せろ」と笑っていた。仲良くお風呂に入っていた兄弟三人が、LINEの既読スルーで静かに壊れていく。
「男四人の夏」
週末、信之は一人で静岡の実家に行った。片づけを始めなければいけなかった。誰も住まなくなった家は、三ヶ月で空気が変わっていた。畳の匂いが薄くなっていた。
押入れを開けた。古い布団の奥に、段ボール箱があった。開けると、アルバムが何冊か入っていた。一番上のアルバムを開いた。色あせた写真が並んでいた。
一枚の写真に、手が止まった。
海だった。三兄弟が小学生の頃。信之が父の肩車。兄の孝之と、弟の裕也が両隣で笑っている。四人とも日焼けして、白い歯を見せている。信之は写真を裏返した。父の字で、こう書いてあった。
「男四人の夏」
信之は畳の上に座ったまま、しばらくその写真を持っていた。父が遺したのは、土地でも金でもない。この写真の中にある時間だった。四人で海に行った夏。三人で風呂に入った夜。兄弟を、お金のことで壊すわけにはいかなかった。
もしあなたも、兄弟間の相続で悩んでいるなら
父の遺産で兄弟が口をきかなくなった。夜、自宅のテーブルでスマホを開いた。「遺産相続 兄弟 もめる」と検索した。同じように兄弟で揉めている人が、どうやって乗り越えたのか知りたかった。
親の遺産を兄弟で分けるとき、感情がこじれることは珍しくない。誰が多くもらうべきか、土地をどうするか、意見が合わないまま時間だけが過ぎていく。自分たちで話し合うほどこじれることもある。
相続の専門家に任せれば、手続きを感情から切り離して進められる。税理士・司法書士・弁護士がチームで対応するので、何から始めればいいか分からなくても大丈夫だ。まず相談するだけで、全体の見通しが立つ。
兄弟の関係が壊れる前に
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信之はスマホを閉じて、カバンから写真を取り出した。実家から持ってきた、あの一枚。「男四人の夏」四人の笑顔。
信之は写真を撮って、三人のLINEグループに送った。何もコメントはつけなかった。写真だけ。
しばらくして、弟の裕也が返した。「懐かしいな」少し間があいて、兄の孝之が返した。「親父、若いな」
二ヶ月ぶりに、三人のLINEが動きはじめた。
