54歳、母のタンスを開けたら着物が30枚。リサイクルショップで「まとめて5,000円」と言われた。

登場人物

美穂(みほ)、54歳。大阪府在住の会社員。2ヶ月前に母(享年79歳)が亡くなり、実家の遺品整理を進めている。母のタンスを開けたら、着物がぎっしり詰まっていた。振袖、訪問着、帯、小物。30枚以上ある。母は着物が好きで、お茶の稽古にも着物で通っていた。近所のリサイクルショップに持ち込んだら「まとめて5,000円」と言われた。悔しくて断った。でも、このまま置いておくわけにもいかない。

母のタンスを開けた。

桐箪笥の引き出しを一段ずつ引くと、たとう紙に包まれた着物が、ぎっしりと並んでいた。

一枚、取り出してみた。紫色の訪問着。たとう紙を開くと、防虫剤の匂いと、かすかに母の匂いがした。

思わず、鼻を近づけた。

母がこの着物を着て、お茶の稽古に出かけていた姿を思い出した。玄関の姿見の前で、帯の具合を確かめて、草履を履いて、「行ってきますね」と微笑んでいた。

もう、その姿を見ることはない。

桐箪笥には、30枚以上の着物が入っていた。振袖、訪問着、付け下げ、色無地、小紋、帯。一枚一枚、母が選んで、大切にしまっていたものだった。

母は、着物が好きだった

母は、着物の人だった。

お茶の稽古には、必ず着物で行った。正月は、家族全員が集まる食事会に、とびきりの訪問着を着てきた。「この帯、ええやろ? 京都の呉服屋さんで見つけてん」と嬉しそうに見せてくれた。

着物の手入れも丁寧だった。着た後は必ず陰干しして、きちんとたたんで、たとう紙に包んで、桐箪笥にしまっていた。防虫剤も定期的に入れ替えていた。

「着物はな、ちゃんと手入れしたら、何十年でも着られるんやで」

母の口癖だった。

その母が、2ヶ月前に亡くなった。79歳。穏やかな最期だった。

葬儀が終わり、遺品整理を始めなければいけない。一番の課題が、この着物だった。

「まとめて5,000円」に、血の気が引いた

自分では着物を着ない。娘も興味がない。親戚に聞いても「うちも困ってるのよ」と言われた。

着る人がいないなら、買い取ってもらうしかない。

とりあえず、近所のリサイクルショップに何枚か持ち込んでみた。訪問着3枚、帯2本。母が特に気に入っていたものだった。

店員が、ざっと広げて見た。1枚ずつ手に取るわけでもなく、パッと見て、すぐに金額を言った。

「全部まとめて、5,000円ですね」

5,000円。

母が一枚何十万円もかけて誂えた訪問着が、5枚まとめて5,000円。1枚あたり1,000円。

血の気が引いた。

「いえ、結構です」

着物を抱えて、店を出た。車に乗って、ハンドルを握ったまま、しばらく動けなかった。

悔しかった。母が大切にしてきたものを、ゴミのように扱われた気がした。

着物の買取が安くなる理由を知った

家に帰って、スマホで調べた。

「着物 買取 なぜ安い」

調べてみて、理由がわかった。

一般のリサイクルショップは、着物の専門知識がない。作家物かどうか、産地がどこか、染めの技法は何か。そういった価値を見極められない。だから、着物は一律「古着」として、重さや枚数で値段をつけられてしまう。

しかも、国内の着物の需要は年々減っている。普段着として着物を着る人が少なくなっている。だから、国内の市場だけで考えると、買い取っても売れない。だから安い。

「やっぱり、5,000円が相場なのか……」

諦めかけた。でも、もう少し調べてみた。

すると、一つの事実に出会った。

日本の着物は、海外で高い需要がある。

アメリカやヨーロッパでは、日本の着物がアートやファッションとして注目されている。特に、手描き友禅や辻が花、総絞りなどの技法は、海外のコレクターが高値で求めている。国内では「着ない古着」でも、海外では「日本の伝統工芸品」として価値がある。

つまり、海外に販路を持っている買取業者なら、国内のリサイクルショップとはまったく違う金額がつく可能性がある。

「海外販路を持つ専門業者」を見つけた夜

さらに調べていくと、着物の専門買取を行っている業者があることを知った。

リユース業界で20年以上の実績。累計1,000億円以上の取引実績。アメリカ、ヨーロッパ、香港など海外にも豊富な販路を持っている。だから、国内の相場では値段がつかない着物でも、高価買取ができる。

出張買取なら、自宅まで査定員が来てくれる。30枚以上の着物を持ち運ぶ必要がない。査定料・出張料すべて無料。その場で現金化。査定に納得できなければ断れる。

「海外に販路があるから高く買えるのか。リサイクルショップとは、そもそも仕組みが違うんやな」

5,000円と言われた着物が、専門業者ならどうなるのか。知りたかった。

美穂が見つけたのは、このサービスだった

※出張査定無料。全国対応。その場で現金化

査定員が、一枚ずつ手に取ってくれた

出張査定を申し込んだ。翌週、査定員が実家に来てくれた。

40代くらいの男性で、丁寧に挨拶をしてくれた。白い手袋をつけて、桐箪笥の前に座った。

リサイクルショップの店員とは、まったく違った。

一枚ずつ、たとう紙を開いて、広げて、手に取って、生地を確かめ、仕立てを見て、裏地を確認していった。

「この訪問着、手描き友禅ですね。状態がとてもいい。お母様、丁寧にお手入れされていたんですね」

「この帯、西陣の老舗メーカーのものです。織りが非常に細かい」

一枚ずつ、ちゃんと見てくれている。母が大切にしてきた着物を、「ゴミ」ではなく「作品」として扱ってくれている。

それだけで、胸が詰まった。

査定額を見て、涙が出た

全30枚の査定が終わった。

提示された金額は、リサイクルショップの「5,000円」とは、桁が違っていた。

「この金額で買い取らせていただけますか?」

あなたは、少し黙った。

金額に驚いたのではない。いや、驚いたのだけれど、それ以上に、母の着物が「正しく見てもらえた」ということが、嬉しかった。

母が一枚ずつ選んで、丁寧に手入れして、桐箪笥に大切にしまっていた着物。その積み重ねが、ちゃんと評価された。

「お願いします」

査定員が帰った後、空になった桐箪笥の前で、少しだけ泣いた。

悲しい涙ではなかった。母の着物が、ゴミにならなかった。5,000円にされなかった。ちゃんと価値を認めてもらえた。そのことへの、安堵の涙だった。

母の着物は、海を渡っていく

買い取られた着物の一部は、海外に渡るという。

アメリカのコレクターが手に入れるかもしれない。ヨーロッパのギャラリーに飾られるかもしれない。香港のファッションデザイナーが、新しい作品のインスピレーションにするかもしれない。

母が選んだ紫の訪問着が、海を渡って、どこかの国で誰かの手に届く。

桐箪笥の中で眠らせるよりも、それはきっと、母が喜ぶ道だと思った。

もしあなたが、タンスの着物をどうするか悩んでいるなら

母や祖母が遺した着物が、タンスに眠っている。自分では着ない。娘も興味がない。でも、捨てるに捨てられない。

リサイクルショップに持ち込んだら、驚くほど安い金額を提示された。「着物はどこに出しても安い」と諦めかけている。

もしそんなあなたがいるなら、一つだけ知っておいてほしい。

着物の買取額は、業者によってまったく違う。一般のリサイクルショップは着物の価値を見極められない。でも、着物の専門知識を持ち、海外に販路を持つ買取業者なら、国内の相場では考えられない金額がつくことがある。

出張査定は無料。自宅まで来てくれるから、重い着物を持ち運ぶ必要がない。査定に納得できなければ断れる。

大切な人が遺した着物を、正しく評価してもらう。それが、着物への最後の敬意だと思う。

母の着物の価値を、正しく見てくれる人がいる

※海外販路を持つ専門業者だから高価買取が可能

桐箪笥を開けたとき、母の匂いがした。たとう紙を開くと、紫の訪問着が静かに折りたたまれていた。

今、その桐箪笥は空になっている。でも、母が着物を選ぶときの嬉しそうな顔は、ちゃんと覚えている。

54歳。母の着物は、海を渡っていった。「ちゃんと手入れしたら、何十年でも着られるんやで」。母の言葉どおり、あの着物は、どこかの国で新しい持ち主に大切にされているだろう。