健一(けんいち)、57歳。東京都在住の会社員。あと3年で定年。子どもは2人とも独立済み。住宅ローンは完済。退職金は2,000万円程度の見込み。妻(55歳)と老後の生活を話し合うたびに「年金だけで足りるだろうか」という不安が頭をよぎる。銀行に置いていても増えない。株は怖い。でも、何か動かなきゃいけないと感じている。旅行好きで、インバウンドの盛り上がりをニュースで見るたびに「すごい時代だな」と思っていた。
夕食の後、妻がリビングのソファに座って、ぽつりと言った。
「ねえ、うちの老後、大丈夫かな」
あなたはテレビのリモコンを持ったまま、手が止まった。
57歳。あと3年で定年だった。退職金は2,000万円ほど入る予定。住宅ローンは完済している。子どもも二人とも独立した。客観的に見れば、そんなに悪くない老後のはずだった。
でも、妻がその一言を口にするということは、彼女もずっと不安を抱えていたということだ。
「2,000万円あっても、30年生きたら月に5万円ちょっとしか使えないのよね」
妻は計算していた。たぶん、何度も。
年金だけでは足りない。退職金を取り崩していけば、90歳になる前にゼロになる。それまでに病気をしたら。介護が必要になったら。子どもたちに迷惑はかけたくない。
あなたは、何も言えなかった。
銀行の通帳を眺めながら、気づいたこと
翌日の朝、あなたは銀行の通帳を開いた。
毎月の給料が振り込まれて、毎月の生活費が引き落とされていく。残高はほとんど増えない。
定期預金の金利は0.002%。100万円を1年預けても、20円しか増えない。
「このまま退職金を銀行に置いても、何も変わらないな」
投資という言葉が、頭をよぎった。
でも、怖かった。
株は値動きが激しい。同僚が「退職金で株を買って半分になった」という話を、会社の飲み会で聞いたことがある。投資信託もよくわからない。FXに手を出した先輩が借金を抱えた話も知っている。
不動産投資も考えた。でも、マンションを買うには何千万円も必要で、さらにローンを組むことになる。57歳でまたローン?とても踏み切れなかった。
結局、何もできないまま、通帳を引き出しに戻した。
電車の中で見つけた、ひとつの記事
ある日の帰りの電車で、スマホのニュースを眺めていた。
「訪日外国人、2025年に4,000万人突破」
見出しが目に入った。
コロナ禍で一時落ち込んだインバウンドが、今や過去最高の水準で戻ってきている。東京のホテルは週末になると満室。価格も高騰している。
そのニュースの下に、関連記事があった。
「民泊投資、平均利回り30〜80%」
あなたは思わず指を止めた。
30%?80%?
銀行の定期預金が0.002%の時代に、そんな利回りがあるなんて信じられなかった。怪しい話なのか、それとも本当なのか。
電車の揺れに合わせて、記事を読み進めた。
「民泊投資」という、知らなかった選択肢
記事によれば、民泊投資には2つの方法があった。
ひとつは「物件を購入する」方法。これは数千万円の自己資金が必要で、あなたには手が届かない。
もうひとつが「賃貸物件を借りて、それを民泊として貸し出す」方法。転貸可能な物件を借りて、インバウンド旅行者に貸す。自己資金は200〜300万円から始められる。
「これなら、退職金の一部で始められる」
さらに調べると、運営代行サービスもあった。物件選びから開業手続き、宿泊客の対応、清掃、売上管理まで、すべて代行してくれる。オーナーは月に一度、売上報告を受け取るだけ。
「これなら、仕事をしながらでもできる」
あなたの頭の中で、何かが動き始めた。
家に帰って、妻に話した。
「民泊って、今こんなに儲かってるらしいんだよ」
妻は最初、半信半疑だった。でも、ニュースの数字を見せると、真剣な顔になった。
「でも、私たちにできるの?」
できるかどうかは、まだわからない。でも、知らないまま退職金を銀行に置き続けるのも、怖かった。
「知る」ことから始めてみた
その週末、あなたは自宅のパソコンで、民泊投資について本格的に調べ始めた。
民泊可能な物件を専門に紹介している会社があることを知った。仲介実績4,700件以上。物件選びから運営代行まで、すべて一括で任せられる。
無料のセミナーも開催されていた。個別相談もできる。契約の強制もない。
「話を聞くだけでも、いいのかもしれない」
あなたは妻に声をかけた。
「一緒に話を聞きに行ってみないか」
妻は少し考えて、うなずいた。
「いいかもね。聞くだけなら」
相談の後、あなたは景色が少し違って見えた
個別相談は、思っていたよりも、ずっと落ち着いた時間だった。
担当者は、いきなり契約を迫ることもなく、あなたの状況を丁寧に聞いてくれた。退職金はいくらある。老後にどれくらい必要か。リスクはどこまで取れるか。
「健一さんの場合は、自己資金200万円ほどから始められる物件がいいかもしれません」
具体的な物件の事例を見せてもらった。東京23区内のマンション。賃料8万円。民泊として貸し出すと、月の売上は30〜40万円。運営代行の費用を引いても、手元に15〜20万円が残る計算だった。
年間にすれば、180〜240万円。
もちろん、リスクもある。空室になる月もある。法規制が変わる可能性もある。それでも、数字の現実を見せられたとき、あなたの中で何かが変わった。
「銀行に2,000万円置いていても、1年で400円しか増えない」
「でも、その一部を民泊に回せば、年間200万円の収入が生まれる」
帰りの電車で、妻が小さく言った。
「あなた、目の色が変わってるよ」
57歳。「まだ、何かを始められる」
動き出したのは、それから3ヶ月後だった。
最初の物件として、東京23区内のコンパクトなマンションを選んだ。賃料8万円。自己資金の200万円で、内装と設備を整えた。運営は代行会社に任せた。
開業から2ヶ月目。初めての月次レポートが届いた。
月の売上:32万円。
賃料、代行費、光熱費を引いた手残り:17万円。
あなたは、妻と一緒にそのレポートを見た。
銀行の定期預金が、1年で400円しか増えなかったことを、思い出した。
民泊の1ヶ月で、定期預金400年分の収入が入った。
妻が、ちょっとだけ笑った。
「老後、少しは安心して暮らせそうね」
もしあなたが、あの夜の健一と同じ場所にいるなら
定年が近づいてきた。
退職金は、そこそこ入る。家のローンも終わった。子どもも独立した。
でも、数字を計算するたびに、不安になる。年金だけで足りるだろうか。退職金は30年もつだろうか。医療費は。介護は。
銀行に置いていても、お金は増えない。でも、株は怖い。何か動きたいけど、何をすればいいかわからない。
そんな夜を、あなたも過ごしているなら。
投資すること、動き出すことが正解とは限らない。でも、「知らないまま何もしない」ことと、「知った上で何もしない」ことは、まったく違う。
選択肢を知った上で、やらないと決めるなら、それはそれで胸を張って銀行に預け続ければいい。
でも、選択肢があることすら知らないまま、退職金を眠らせ続けるのは、もったいない。
まずは、話を聞くだけでもいい。
一歩目を、踏み出すかどうかは、あなたが決める。
あの夜、妻がぽつりと言った「うちの老後、大丈夫かな」という言葉。
健一が、半年後に思い出したとき、その言葉は少しだけ違う響きに変わっていた。
「大丈夫じゃない」から、「大丈夫にしていこう」へ。
57歳。まだ、何かを始められる。
あなたの老後は、これから「大丈夫」にしていける。

