由美子(ゆみこ)、52歳。東京都在住。8年前に離婚して、一人娘(今は25歳で独立)を女手一つで育ててきた。事務職で生活を支えてきたが、子育てが一段落した今、ふと「このまま一人で老いていくのか」という不安に襲われる。友人には「もう一度結婚するなんて考えられない」と強がっているが、本心では「誰かと一緒に歳をとりたい」と思っている。でも「52歳から結婚相手を探すなんて、恥ずかしい」と足踏みしている。
娘が独立した日の夜、あなたは一人でダイニングテーブルに座っていた。
結婚して家を出ていった娘。新しい生活が始まる彼女に、精いっぱいの祝福を送った。笑顔で手を振って、玄関で見送った。
家に戻ると、誰もいなかった。
冷蔵庫を開けても、一人分の食材しかない。リモコンを押しても、誰もチャンネルに文句を言わない。シャワーの後に「おかえり」と言ってくれる人もいない。
8年前に離婚してから、娘と二人で生きてきた。必死だった。パートから正社員に戻って、夜は家事をして、週末は娘の習い事に付き添って。一人娘を育てることが、あなたの人生の全部だった。
その娘が、独立した。
嬉しかった。立派に育ってくれたことが。誇らしかった。女手一つでここまで育て上げた自分を、少しだけ褒めてもいいのかもしれない、と思った。
でも、ダイニングテーブルに一人で座ったとき、気づいてしまった。
「これから、私は一人でご飯を食べるんだ」
明日も、明後日も、来年も、10年後も。
このまま、一人で歳をとっていくのかな。
50代のシングルマザーが、ふと感じる「静けさ」の正体
8年間、あなたは忙しすぎて、自分のことを考える時間がなかった。
離婚してすぐは、怒りと悲しみと、これから生きていくことへの不安で頭がいっぱいだった。少しずつ生活が落ち着いてからは、娘の成長に合わせて、学費や進学のこと、就職のことで頭がいっぱいだった。
「自分」というものを、長いこと考えていなかった。
でも、娘が家を出た瞬間、突然、「自分」だけが残された。
朝起きて、誰にもおはようと言わない。会社に行って帰って、誰にもただいまと言わない。夕食を作っても、誰も「美味しい」と言わない。
静けさが、耳に痛いくらいに響く夜がある。
友人に電話で弱音を吐いたら、笑われた。
「えー、由美子は強いじゃない。一人でなんでもできるでしょ」
強いふりをしていただけだった。
本当は、ずっと誰かに「ただいま」と言いたかった。
「再婚なんて、もうないかな」と言いながら
飲み会で「再婚しないの?」と聞かれるたびに、あなたは笑って答えてきた。
「もういいよ、一人で気楽だから」
「こんな歳で、出会いなんてないしね」
「娘も独立したし、自分のペースで生きるのが一番」
全部、半分は本気で、半分は強がりだった。
本当は、もう一度、誰かと手をつないで歩いてみたかった。スーパーで夫婦で買い物をしているお年寄りを見ると、羨ましい気持ちがじわりと湧いてきた。温泉旅行のパンフレットを見て、一人では行けないなと思って、そっと閉じた。
でも、口にできなかった。
52歳。バツイチ。娘あり。
「こんな私に、今さら誰が興味を持ってくれるの」
そう思うと、踏み出す気持ちが小さくなった。
マッチングアプリは怖い。若い人向けだし、怪しい人も多いと聞く。結婚相談所は料金が高そう。街コンや婚活パーティーは、50代の自分が行く場所じゃない気がした。
結局、何もしないまま、一人の夜を重ねていった。
ある夜、スマホで見つけた「サブスク型」の結婚相談所
娘から電話があった夜のことだった。
「お母さん、一人で寂しくない?」
「全然、楽しくやってるよ」
いつもの強がりを言った後、娘は少しだけ沈黙してから、こう言った。
「お母さんも、誰かいい人いたら、再婚してもいいんだよ。私、応援するから」
電話を切った後、あなたはしばらく動けなかった。
娘の一言が、ずっと心の奥にしまっていた蓋を、そっと開けた。
その夜、布団に入ってから、何となくスマホを手に取った。
「50代 再婚 出会い」
そう打ち込んでから、恥ずかしくなって、一度削除した。でも、もう一度、打ち直した。
検索結果を見て、驚いた。
50代、60代で再婚する人が、思っていたよりずっと多かった。
そして、「サブスク型」の結婚相談所という、新しい仕組みがあることを初めて知った。月額9,800円。入会金は30,000円。成婚したときに80,000円。それ以外の追加料金は一切なし。
「え、こんなに安いの?」
調べれば調べるほど、結婚相談所のイメージが変わっていった。
「結婚相談所=高い」は、もう昔の話だった
あなたの中の「結婚相談所」のイメージは、10年以上前のものだった。
店舗に通って、仲人さんと面談して、紹介してもらう。月に何万円もかかる。お見合いのたびに料金が発生する。成婚料も高額。
でも、今は違った。
スマホで会員検索して、気になる人にお見合いを申し込む。日程調整は仲人が代行してくれる。お見合い料は無料。定額制だから、お見合いを何回しても追加料金なし。仲人へのチャット相談も、無制限で使える。
しかも、オンライン結婚相談所でも、店舗型と同じ大手ネットワーク(IBJ)に加盟していれば、日本で最も多い会員数の中からお相手を探せる。会員は全員、独身証明書や身元確認書類を提出している。マッチングアプリのような「身元不明」の不安がない。
さらに調べていくと、「再婚・シングルマザー向けのサポート」を明記しているサービスがあった。
「50代からの再婚も多数。仲人が丁寧にサポート」
あなたは、スマホをじっと見つめた。
「私と同じ立場の人が、ちゃんと幸せになってるんだ」
ずっと、「自分は特別に不利」だと思っていた。バツイチ、娘あり、52歳。でも、実際には、同じような立場で再婚している人がたくさんいた。
無料相談を申し込んだ日、心が少しだけ軽くなった
調べ始めてから1週間後、あなたは無料相談を申し込んだ。
「申し込む」ボタンを押す前に、何度もためらった。まだ決めたわけじゃない。話を聞くだけ。それでも、指が震えた。
オンラインの相談は、思っていたより気楽だった。
画面の向こうの仲人さんは、40代の女性だった。あなたより少し年下の、穏やかな人。
「由美子さん、ここまで一人で娘さんを育ててこられたんですね。素敵です」
その一言で、あなたは少しだけ泣きそうになった。
「52歳でも、大丈夫でしょうか」
「大丈夫ですよ。同世代の男性も、同じように『もう一度、誰かと歩きたい』と思っている方がたくさんいます。お互いを支え合える関係を、ゆっくり探していきましょう」
画面を閉じた後、あなたは深呼吸をした。
まだ入会を決めたわけじゃない。でも、「自分にも選択肢があるんだ」と知っただけで、心が少しだけ軽くなった。
一人で生きていく人生も、もちろん素晴らしい。
でも、「もう一度、誰かと」という選択肢があることを、自分で閉じてしまうのは、もったいない。
「誰かと歳を重ねる」という、もう一つの人生
50代からの再婚は、20代の結婚とは違う。
子どもを産み育てることが目的じゃない。お互いの人生を尊重して、残りの時間を一緒に歩むパートナーを探す。
朝、一緒にコーヒーを飲む人。週末に一緒に散歩する人。病気になったときに、隣にいてくれる人。
子どもが独立した今、それが何より大切なものに思える。
もしあなたがその価値を大切にしたいなら、選択肢を知ることから始めてみてほしい。
「恥ずかしい」も、「今さら」も、誰かの押し付けた言葉かもしれない。
あなたの人生は、あなたが決める。
もしあなたが、あの夜の由美子と同じ場所にいるなら
子どもが独立して、家の中が静かになった。
離婚してから、ずっと子どものために生きてきた。あるいは、ずっと一人で頑張ってきた。
友人には「一人で気楽」と笑ってきたけれど、本当はもう一度、誰かと手をつなぎたい。
でも、「50代で再婚なんて恥ずかしい」と、自分に言い聞かせてきた。
そんなあなたが、この記事を読んでいるなら——。
50代、60代で再婚した人は、あなたが思っているよりずっと多い。
結婚相談所も、昔のような高額なものではなくなっている。月額1万円以下で始められるサブスク型が登場していて、一度試してみて、合わなければ辞めればいい。
まずは、話を聞くだけでもいい。
入会するかどうかは、話を聞いた後に決めればいい。
52歳は、まだ折り返し地点にも立っていない。
これからの時間を、誰と過ごすか。一人で過ごすのも、誰かと過ごすのも、どちらも素敵な人生だ。
でも、選択肢があることを知らないまま、「もう無理」と諦めるのは、もったいない。
ダイニングテーブルに一人で座って、「このまま歳をとるのかな」と思ったあの夜。
その問いに、「誰かと歩いていく」と答えられる人生も、まだ選べる。
52歳。まだ、何も遅くない。

