54歳、子どもが独立した家は広すぎた。住み替えを考えたら「仲介手数料120万円」と言われた。

登場人物

寛(ひろし)、54歳。神奈川県在住の会社員。妻(52歳)と二人暮らし。子ども2人は独立済み。築30年の4LDKの戸建てに住んでいるが、夫婦二人には広すぎる。妻が「駅近のマンションに引っ越したい」と言い始めた。不動産会社に相談したら、3,500万円のマンションを購入する場合、仲介手数料だけで約120万円かかると知って驚いた。「120万円あったら、引っ越し費用も家具代もまかなえるのに」と頭を抱えている。

子どもたちの部屋を、掃除するのが辛くなった。

2階に2つある子ども部屋。息子の部屋、娘の部屋。どちらも、もう3年以上使われていない。たまにドアを開けて風を通すくらい。埃がうっすら積もったデスクの上に、子どもが置いていった本が何冊か残っているだけだ。

4LDKの一戸建て。家族4人で暮らしていた頃は、それでもちょうどよかった。子どもたちが走り回って、リビングで宿題をして、お風呂の順番を争って。あの頃の家は、毎日にぎやかだった。

今は、夫婦二人。

1階のリビングとキッチンと寝室で、ほぼすべてが完結してしまう。2階の子ども部屋と、使わなくなった書斎は、掃除のためだけに階段を上がる場所になった。

ある夕食のとき、妻がぽつりと言った。

「ねえ、もう少しコンパクトなところに引っ越さない?駅に近いマンションとか」

あなたは箸を止めた。

引っ越し。この家を出ること。正直、考えたことがなかったわけじゃない。でも、30年住んだ家を離れるという決断は、簡単じゃなかった。

「……ちょっと考えてみようか」

50代の住み替え、思ったより現実的だった

週末に、二人でマンションの物件を見に行った。

駅から徒歩5分。2LDK。築10年。オートロック付き。スーパーも病院も近い。

内覧して、妻の顔がぱっと明るくなった。

「いいね、ここ。広さもちょうどいいし、掃除がラク。何より、2階がないのが嬉しい」

あなたも気に入った。通勤も便利になる。老後を考えても、バリアフリーのマンションのほうが安心だ。

今住んでいる戸建ても、売れればある程度の資金になる。差額をローンで補えば、無理のない住み替えができそうだった。

気持ちが前に動き始めた。

でも、不動産会社で具体的な話を聞いた瞬間、その気持ちに水を差された。

「仲介手数料が120万円」と聞いて、固まった

不動産会社の担当者が、にこやかに説明してくれた。

「このマンション、3,500万円ですね。購入時の諸費用として、仲介手数料が約120万円かかります」

「120万円?」

あなたは、思わず聞き返してしまった。

「はい、法律で上限が定められていて、物件価格の3%+6万円+消費税となります。3,500万円ですと、約121万円ですね」

帰りの車の中で、あなたは黙っていた。妻も黙っていた。

120万円。

120万円あれば、引っ越し費用、新しい家具、カーテン、エアコン、全部まかなえる。新生活のスタート費用が丸ごと出る金額だ。

それが、仲介手数料として消える。

「仲介手数料って、交渉できないの?」

妻に聞かれて、あなたは調べてみた。

仲介手数料の仕組み

仲介手数料の法定上限:物件価格の3%+6万円+消費税
例:3,500万円の物件の場合→ 約121万円
例:5,000万円の物件の場合→ 約171万円

これは法律で定められた「上限」であり、必ずこの金額を払わなければいけないわけではありません。不動産会社によっては、仲介手数料を無料または半額にしているところもあります。

仲介手数料が無料になる仕組みは、不動産会社が売主側からのみ手数料を受け取る「片手仲介」モデルを採用しているケースが多いです。買主側は手数料を負担しないため、同じ物件でも仲介会社を変えるだけで100万円以上の差が出ることがあります。

「同じ物件でも、仲介会社を変えるだけで100万円以上変わる」

調べてみて、あなたは目を疑った。

不動産の仲介手数料は、法律で「上限」が決まっているだけ。下限は決まっていない。つまり、不動産会社によっては、仲介手数料を無料にしているところがある。

同じ物件を、A社で買えば仲介手数料120万円。B社で買えば0円。

物件は同じ。内覧も同じ。契約内容も同じ。違うのは、仲介する会社だけ。

「えっ、そんなことが可能なの?」

妻に伝えたら、同じ反応だった。

「でも、タダって怪しくない?何か裏があるんじゃない?」

妻の疑問はもっともだった。あなたはさらに調べた。

仕組みはシンプルだった。通常の不動産会社は、買主と売主の両方から仲介手数料を取る(両手仲介)。でも、買主側の仲介手数料を無料にしている会社は、売主側からの手数料だけで運営している。だから買主は、仲介手数料を払わなくていい。

物件によっては無料にならないケースもあるけれど、半額になるケースも多い。

「まず、今検討している物件が対象になるか、聞いてみればいいんだ」

仲介手数料「最大無料」の会社を見つけた夜

その夜、検索を続けていたあなたは、全国対応で仲介手数料最大無料を掲げている不動産会社を見つけた。

新築一戸建てだけでなく、中古マンション、土地、事業用物件まで対応。購入を検討している物件があれば、その物件が仲介手数料無料の対象になるかどうかを、無料で確認してもらえる。

「検討中の物件を伝えるだけで、仲介手数料がゼロになるか教えてもらえるのか」

リスクはない。聞くだけ聞いてみて、対象外なら今の不動産会社で進めればいい。

寛が見つけたのは、このサービスだった

※相談は無料。全国対応(北海道・沖縄・離島除く)

「120万円が、ゼロになった」

翌日、フリーダイヤルに電話した。

対応してくれたスタッフは、丁寧だった。物件の情報を伝えると、すぐに確認してくれた。

「寛さん、こちらの物件、仲介手数料無料で対応可能です」

電話口で、あなたは思わず妻を振り返った。

妻が「え?」という顔をした。

「120万円が、ゼロだって」

妻は、しばらく声が出なかった。

120万円。

その120万円で、新しいマンションのリビングに大きなソファを置いた。カーテンも新調した。エアコンも2台入れた。引っ越し業者に頼んで、楽に引っ越せた。

全部、仲介手数料が浮いた分でまかなえた。

新しい家の、最初の朝

引っ越しが終わった翌朝、あなたは新しいマンションのリビングで目が覚めた。

窓からの光が、前の家とは違う角度で差し込んでくる。

妻がキッチンでコーヒーを淹れていた。

「おはよう。ここ、いいね」

「うん、いい」

2LDK。夫婦二人には、ちょうどいい広さだった。2階がないから、膝の悪い妻も楽だと言っている。スーパーは徒歩3分。病院も近い。駅まで5分。

30年間住んだ家を離れるのは、少し寂しかった。子どもたちの思い出がたくさん詰まった家だった。

でも、新しい家で始まる、夫婦二人の新しい暮らし。

子どもたちが帰ってきたとき、「お父さんとお母さんの新しい家、いいね」と言ってもらえたら嬉しい。

あの夜、妻が「引っ越さない?」と言ってくれたことに、感謝した。

そして、仲介手数料が無料になることを知らなかったら、この決断は、もう少し先延ばしになっていただろう。

もしあなたが、住み替えを考えているなら

子どもが独立して、家が広すぎると感じている。

駅に近いマンション、バリアフリーの住まい、もう少しコンパクトな家。

住み替えを考えたことがある。でも、諸費用の高さで足踏みしている。

もしそんなあなたがいるなら、一つだけ知っておいてほしいことがあります。

仲介手数料は、必ずしも満額払う必要はない。

同じ物件でも、仲介する会社を変えるだけで、100万円以上安くなる可能性がある。

購入を検討している物件があるなら、まずはその物件が仲介手数料無料の対象になるかどうか、確認してみてください。確認するだけなら、一切お金はかかりません。

対象外なら、今の不動産会社で進めればいい。対象だったなら、その分のお金で、新しい生活をもっと豊かにできます。

120万円を払う前に、確認してみてほしい

※物件によっては無料にならない場合もあります

子ども部屋の掃除が辛くなった日。妻が「引っ越さない?」と言ってくれた夜。

50代の住み替えは、「何かを失う」ことではなく、「新しく始まる」ことだった。

仲介手数料のことを知っていたから、その一歩を、余裕を持って踏み出せた。

54歳。まだ、暮らしは変えられる。