53歳、父の遺品整理で日本刀が出てきた。価値がわからない。処分の仕方もわからない。

登場人物

隆(たかし)、53歳。京都府在住の会社員。半年前に父(享年81歳)が亡くなり、実家の遺品整理を進めている。父は歴史好きで、和室の床の間に日本刀が飾ってあった。押入れの奥には甲冑の一部と思われる兜や胴も残っていた。刀の鍔(つば)や小さな刀装具が桐箱にいくつか入っている。登録証が付いているものとないものがある。自分には刀剣の知識がまったくない。このまま置いておくのも怖いし、処分の仕方がわからない。

父の和室に、足を踏み入れた。

半年前に亡くなった父の部屋を、そのまま残していた。遺品整理を進めなければいけないとわかっていたけれど、手をつけられなかった。

畳の匂いと、かすかな線香の残り香。床の間には、父がいつも大切にしていた日本刀が飾ってある。刀掛けの上に、鞘に収まったまま、静かに横たわっている。

子どもの頃、父がこの刀を手入れしている姿を、畳の上に座って眺めていた。丁字油を柔らかい布に染み込ませて、刀身をゆっくりと拭く。父の手つきは丁寧で、まるで生きものに触れるようだった。

「隆、刀は生きとるんや。ちゃんと手入れせんと、錆びてしまうんやで」

父の声が、耳の奥で蘇った。

押入れの奥から、甲冑と刀装具が出てきた

遺品整理を始めて、押入れを開けた。

奥のほうに、大きな木箱が2つ。重い。引きずり出して蓋を開けると、中には兜と胴が入っていた。甲冑の一部だった。錆が浮いている部分もあるけれど、形はしっかり残っている。

もう一つの木箱には、桐箱が5つほど入っていた。開けてみると、刀の鍔(つば)、縁頭(ふちがしら)、目貫(めぬき)。小さな金属の工芸品。細かい彫刻が施されている。

父は、歴史が好きだった。京都に生まれ育って、寺社仏閣を巡り、古い刀剣や武具を少しずつ集めていた。「趣味や」と笑っていたけれど、どれだけの年月と費用をかけて集めたのか、息子の自分にはわからなかった。

そして、これらの品の「価値」も、自分にはまったくわからなかった。

価値がわからない。処分の仕方もわからない

日本刀。甲冑。刀装具。

自分には縁のない世界だった。父の趣味を引き継ぐ気持ちはない。刀のことも、甲冑のことも、何一つわからない。

でも、処分するにしても、方法がわからなかった。

まず、日本刀は「銃砲刀剣類登録証」がないと所持できない。父の刀には登録証がついていたけれど、押入れの中の短刀には見当たらない。登録証のない刀は、警察に届け出が必要だと聞いた。

甲冑はどうすればいいのか。粗大ゴミに出すわけにもいかない。リサイクルショップに持ち込めるのか。そもそも、こういうものを扱える店がどこにあるのかもわからない。

妻に相談した。

「お義父さんの刀、どうしたらええんやろ。置いとくのも怖いし」

「私も全然わからへん。でも、ちゃんとしたところに相談したほうがいいと思う」

近所のリサイクルショップに聞いたら、断られた

とりあえず、近くのリサイクルショップに電話してみた。

「日本刀と甲冑の買取をお願いしたいんですが」

「申し訳ありません、刀剣類はうちでは取り扱っておりません」

別の店にも聞いた。同じ答えだった。

一般のリサイクルショップでは、刀剣や武具を扱えるところがほとんどない。専門の知識がないと査定できないし、登録証の確認など法的な手続きも必要になるからだ。

ネットオークションに出す手もあるけれど、刀剣の出品にはルールが多い。登録証の有無、銃刀法の規定、送り方。素人の自分には、リスクが高すぎる。

「専門の買取業者を探すしかないんやな」

でも、専門業者を名乗る怪しい会社に騙されたくない。父が大切にしていたものを、安く買い叩かれたくない。

「世界基準の査定額」という言葉に、目が止まった

その夜、スマホで「日本刀 買取 専門」と検索した。

いくつかの業者のサイトが出てきた。その中に、一つだけ気になるサービスがあった。

刀剣・武具の専門買取。業界オークションを主催する企業が運営。累計取引金額1,000億円以上。出張買取で全国対応。査定料・出張料すべて無料。その場で現金化。

「世界基準の査定額で、正確かつ公平な買取をご案内」

この言葉に、目が止まった。

業界オークションを主催している会社なら、刀剣の相場を知り尽くしている。一般のリサイクルショップとは、知識の深さが違う。

査定だけでもOK。納得できなければ断れる。キャンセル料もかからない。

「まず、父の刀にどれだけの価値があるのか、知りたい」

隆が見つけたのは、このサービスだった

※出張査定無料。全国対応。その場で現金化

査定員が父の刀を手に取った瞬間

出張査定を申し込んだ。3日後に、査定員が実家に来てくれた。

40代くらいの男性だった。物腰が柔らかく、玄関で丁寧に挨拶をしてくれた。

和室に通して、まず床の間の日本刀を見てもらった。

査定員が、白い手袋をつけて、刀を鞘から静かに抜いた。

刀身が、蛍光灯の光を受けて、鈍く光った。

「……お父様、よう手入れされとったんですね。刃文がきれいに出てます」

査定員の声が、少し感嘆を含んでいた。

登録証を確認し、銘を読み、刀身の状態を丁寧にチェックしていった。甲冑の兜と胴も、一つひとつ手に取って確認してくれた。桐箱の中の鍔や目貫も、ルーペで彫刻の細部まで見てくれた。

「この鍔、なかなかのお品ですよ。江戸期の作と思われます」

あなたにはわからなかった。でも、査定員が父のコレクションを「ちゃんと見てくれている」ことが伝わってきた。

査定額を見て、父の「趣味」の深さを知った

全品の査定が終わった。

提示された金額は、あなたが想像していたよりも、ずっと大きかった。

「これだけの価値があるんですか」

「はい。お父様は、目利きでいらしたんですね。どれも状態がいいですし、時代や作者を考えると、適正な評価ができるお品ばかりです」

父が「趣味や」と笑っていた刀や甲冑に、こんな価値があったのか。

父は生前、自分のコレクションの値段を口にしたことがなかった。値段のために集めていたのではない。歴史が好きで、刀や武具が好きで、一つひとつ選んで、大切に手入れして、床の間に飾っていた。

その「好き」の積み重ねが、これだけの価値になっていた。

あなたは、買い取ってもらうことにした。

ただ、一つだけ残した。刀の鍔を一枚。一番小さな桐箱に入っていた、桜の花が彫られた鍔。

父が一番好きだと言っていた鍔だった。

もしあなたが、実家の押入れの前で途方に暮れているなら

親の遺品整理で、日本刀や甲冑が出てきた。刀装具や古い武具がある。

価値がわからない。処分の仕方もわからない。リサイクルショップでは断られた。ネットオークションはリスクが高い。

もしそんなあなたがいるなら、一つだけ知っておいてほしい。

刀剣や武具には、専門の査定が必要です。一般のリサイクルショップでは正しい価値を見極められない。でも、専門の査定員なら、刀の銘、時代、状態、希少性を見て、適正な価格をつけてくれる。

出張査定は無料。全国対応。査定だけでもOK。納得できなければ断れる。

親が大切にしてきた品を、安く買い叩かれるのは悲しい。かといって、価値を知らないまま放置して劣化させるのも、もったいない。

まずは「価値を知る」ことから。それが、親のコレクションへの、最初の敬意だと思います。

父が遺した刀の価値を、まず知ることから

※査定だけでもOK。納得できなければ断れます

父の和室。床の間に日本刀があった場所は、今は空いている。

でも、手元に残した桜の鍔を、時々手に取る。指先で彫刻をなぞると、父が丁字油で刀を手入れしていた姿が浮かんでくる。

53歳。父が好きだったものの価値を、ようやく知った。それは金額の話ではない。一つのことを愛し続けた、父の人生そのものの重みだった。