地域:愛媛– tag –
-
暮らし・終活
53歳、押入れの奥にトランペットがある。35年間、一度も吹いていない。でも、捨てられない。
53歳の裕介は、高校の吹奏楽部でトランペットを吹いていた。楽器は母がパート代を貯めて買ってくれたもの。マイルス・デイビスに憧れて、放課後の音楽室で何時間も吹いた。大学で楽器を離れて35年。母が亡くなり、実家の押入れからトランペットが出てきた。 -
暮らし・終活
54歳、25年前に「いつか必ず」と言った約束を、まだ果たしていなかった。
結婚したとき、二人ともお金がなかった。指輪を買う余裕がなく、「いつか必ず」と言ったまま25年が過ぎた。久恵はその約束を責めたことは一度もない。ただ、たまに他の女性の指輪に目が止まる瞬間があった。浩二はずっと、その視線に気づいていた。
1
