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仕事・キャリア
58歳、葉山の小さなサロンに大手チェーンが出店してきた日。夫の退職金を、無駄にはできない。
31年間、看護師として働いてきた泉美が、55歳で開いた葉山の小さなサロン「凪」。大手チェーンの出店という壁に直面したとき、夫が信じて差し出した退職金を無駄にしないため、彼女がたどり着いた答えとは。 -
仕事・キャリア
55歳、ショールームが閉まった日。母のクリーニング店の蒸気の匂いを、ふいに思い出した。
55歳、住宅メーカーのショールームが閉鎖になった。20年間、毎朝一番に来てモデルキッチンを磨いていた。退職した朝、行く場所がなくなった。ある日、アイロンの蒸気の匂いで、母のクリーニング店を思い出した。「きれいにして返すと、みんな笑顔になるのよ」。あの言葉を、今度は自分の仕事にする。 -
お金・資産
56歳、息子が出ていった日に明細を見た。10年間、同じ光回線に月6,500円払い続けていた。
56歳、息子が就職で大阪に出た。夫婦二人になったリビングで、妻に「通信費、高すぎない?」と言われて明細を見た。月6,578円。10年以上、同じ光回線に払い続けていた。乗り換えは面倒だと思い込んでいた。でも「縛りなし」の三文字が、その思い込みを静かに崩した。 -
仕事・キャリア
55歳、倉庫で荷物を積んでいた。軽バンで出ていくドライバーの背中を見て、「あっち側に行きたい」と思った。
55歳、物流倉庫で30年。年下の上司に「勝さんの時代とは違います」と言われるたびに、居場所が狭くなっていった。ある日、倉庫に来た軽貨物ドライバーが「じゃ、行ってきます」と笑って出ていった。その背中を見て、初めて思った。「あっち側に行きたい」。 -
お金・資産
「遺産相続 兄弟 もめる」と検索していた。面倒な手続きも、気が重くなる兄弟とのやり取りも、すべて専門家に丸投げできることを知った。
「遺産相続 兄弟」と検索していた。面倒な手続きも、気が重くなる兄弟とのやり取りも、すべて専門家に丸投げできることを知った。 -
お金・資産
56歳、「遺産相続 兄弟 もめる」と検索していた。父の遺産で兄弟が口をきかなくなった。押入れの奥に、あの夏の写真があった。
56歳、3ヶ月前に父を亡くした。三兄弟で遺産を分けなければいけない。兄は「長男だから実家は俺が」。弟は「三等分が筋だ」。真ん中の信之は、どちらにもつけなかった。実家の片づけで押入れを開けたとき、一枚の写真が出てきた。裏に父の字で「男四人の夏」と書いてあった。 -
暮らし・終活
59歳、妻の写真集のサントリーニ島のページに、小さな鉛筆の字で「二人で」と書いてあった。
59歳、来年還暦。妻のベッドサイドには34年間、世界の風景の写真集が置いてあった。毎晩数ページめくって電気を消す。一度も「行きたい」と言わなかった。ある夜、その写真集を開いた。サントリーニ島のページの端が折ってあった。折り目の横に、小さな鉛筆の字で「二人で」と書いてあった。 -
暮らし・終活
55歳、娘が巣立った家で、知らない国の子供に手紙を書いている。冷蔵庫に、二枚の写真を並べた。
55歳、一人娘が大阪に嫁いで3年。朝、テーブルに三人分の食器を出してしまう。テレビで途上国の子供たちの映像を見た日、千鶴は1人の子供とつながる支援プログラムに辿り着いた。届いた写真の女の子を、娘の入学式の写真の隣に並べた。見返りは求めない。ただ、元気でいてくれたら、それだけでいい。 -
お金・資産
54歳、「事故物件」で検索した夜、告知義務がある実家を2年間抱えてきた。夫にも言えなかった。
54歳、父の孤独死で残された実家。発見が遅れて特殊清掃が入った物件には、売却する限り時効のない告知義務がつく。3社に断られ、夫にも言えないまま2年が過ぎた。台所の棚には、父が用意していたままの封を開けていないお菓子があった。
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